「パーティ?」
「たいしたやつじゃないから、来てよ。会わせたい人がいるんだ。この前のお友達・・・浜西さんだっけ。彼女も一緒に来てもらって構わないから。」

倫が本を返そうと九条薫に電話すると、突然パーティに誘われた。

九条の家で催されるらしいのだが、倫はパーティに誘われるのは初めてだったし、薫とは本を返したらもう会うのはやめようと思っていたので、突然の誘いに面食らった。

あれ以来、キヨは口数が少なくなり、いつも何か考えているようだった。

倫も薫のことを話題にはあげなかった。
何か聞いても答えてくれそうな雰囲気ではなかったからだ。

キヨがあんなに反対するには理由があるはずだ。
倫はどうしてなのか聞きたかったが、
自分自身、これ以上薫に深入りしない方がいいと思っていただけに、早々に終わらせようと思っていたのである。

薫から抜け出せなくなる前に・・・。