「今日は大おば様にご紹介したい人を連れてきました」
薫をそう言って倫の背中に手をあてて、倫を少し前に出るよう促す。
倫は緊張のあまり上手く歩けず、躓きそうになった。
薫がそっと倫の体を支える。
「紹介の・・・必要はありませんよ・・・。良く知ってます・・・」
政子は少しも動かず、倫の顔を見ることなくそう言った。
倫は勇気を振り絞って、かすれた声で言った。
「小山田、倫です・・・」
とりあえず名乗ってはみたものの、その後が続かない。
(何て言えばいいの・・・何て・・・)
「似てますよ・・・九条周一郎に・・・」
倫はドキリとした。
政子の方から切り出してきたからだった。
この人は全て知っている・・・。そう確信した。
「僕の父や、成明伯父は大おば様の息子・・・彼女が九条周一郎のただ一人の娘ですね?」
薫が臆することなく、単刀直入に尋ねた。
倫の緊張が頂点に達する。
薫と倫は政子をじっと見つめた。
政子の体がわずかに揺れたかと思うと、徐々に大きくなり震えだした。
最初は泣いているのかと思ったが違った。笑っているのである。
「ふふ・・・・ふははは・・・・!」
突然の笑い声に、薫も驚いたようだった。
二人して息を呑む。
薫をそう言って倫の背中に手をあてて、倫を少し前に出るよう促す。
倫は緊張のあまり上手く歩けず、躓きそうになった。
薫がそっと倫の体を支える。
「紹介の・・・必要はありませんよ・・・。良く知ってます・・・」
政子は少しも動かず、倫の顔を見ることなくそう言った。
倫は勇気を振り絞って、かすれた声で言った。
「小山田、倫です・・・」
とりあえず名乗ってはみたものの、その後が続かない。
(何て言えばいいの・・・何て・・・)
「似てますよ・・・九条周一郎に・・・」
倫はドキリとした。
政子の方から切り出してきたからだった。
この人は全て知っている・・・。そう確信した。
「僕の父や、成明伯父は大おば様の息子・・・彼女が九条周一郎のただ一人の娘ですね?」
薫が臆することなく、単刀直入に尋ねた。
倫の緊張が頂点に達する。
薫と倫は政子をじっと見つめた。
政子の体がわずかに揺れたかと思うと、徐々に大きくなり震えだした。
最初は泣いているのかと思ったが違った。笑っているのである。
「ふふ・・・・ふははは・・・・!」
突然の笑い声に、薫も驚いたようだった。
二人して息を呑む。

