久しぶりに会う薫は少し疲れているようだった。不安な気持ちでいっぱいだったが、それでも嬉しさがこみ上げる。
「ごめん。連絡が遅くなって。本当はもっと早く連絡したかったんだけど」
「ううん。いいの。翻訳、大変だったでしょう。ありがとう」
薫は倫の隣に座って、例の本と何枚かの用紙を倫に渡した。
倫は緊張して訳してあるノートを開くことができなかった。
「・・・何が書いてあったの?」
「とりあえず・・・読んでみて」
薫は真剣な眼差しだったが、決して悩んだり落ち込んだりといった表情ではなかった。
倫はゴクリと喉をならしノートを開いた。
『4月11日。
新しく女性社員が入社。アメリカの血が混ざっているとのこと。非常に美しい。』
『4月22日。
彼女と話をするのが日々の楽しみとなる。笑顔があどけなく、心が揺さぶられる。』
『5月24日。
1年努力したが、ヤエコも駄目。無念。』
(駄目って何が?ヤエコって誰?)
彼女とはおそらく幸子のことであろう。やはり周一郎の幸子への想いが綴られた日記のようだった。
「ごめん。連絡が遅くなって。本当はもっと早く連絡したかったんだけど」
「ううん。いいの。翻訳、大変だったでしょう。ありがとう」
薫は倫の隣に座って、例の本と何枚かの用紙を倫に渡した。
倫は緊張して訳してあるノートを開くことができなかった。
「・・・何が書いてあったの?」
「とりあえず・・・読んでみて」
薫は真剣な眼差しだったが、決して悩んだり落ち込んだりといった表情ではなかった。
倫はゴクリと喉をならしノートを開いた。
『4月11日。
新しく女性社員が入社。アメリカの血が混ざっているとのこと。非常に美しい。』
『4月22日。
彼女と話をするのが日々の楽しみとなる。笑顔があどけなく、心が揺さぶられる。』
『5月24日。
1年努力したが、ヤエコも駄目。無念。』
(駄目って何が?ヤエコって誰?)
彼女とはおそらく幸子のことであろう。やはり周一郎の幸子への想いが綴られた日記のようだった。

