資本に基づいて生産する、これを中心にして仕組みの出来上がっている社会(以下、資本制社会)、これを本稿では分析する。
資本制社会において、豊かさは、商品体の多寡を意味する。
ゆえに、個々の商品体は、豊かさの部分である。

商品体は欲望充足性を持つ。
欲望充足性の予期と、使用価値とは連結している。

また、使用価値は、富の要素である。
(ゆえに、資本制社会の分析対象足りうる。)

資本制社会では、(交換)価値は使用価値に基づいて生成される。

(交換)価値は、交換の際に、等量の形で生成される。
(これは社会的な力の結果であり、社会成員による恣意である)
このとき、(交換)価値には、推移律(*)が成立し(安定である)。
(ゆえに、こうした恣意には、その正当性になんらかの実態的基礎を持つと推定される。)

ところで、商品の同一性属性は、使用価値のほうに排他的に包含されているため、
商品体は、使用価値と個別具体の労働生産物という二つの属性のみからなる。

一方、(交換)価値は、使用価値を1次元の連続量に縮減・射影したものである。
このとき同時に、個別具体の労働生産物も縮減・射影される。
それは、個別作業者が社会平均化され、具体作業内容が人間労働量に、というかたちでなされている。

この人間労働量が、(交換)価値の基礎であると考えられる。