学園(序)

龍先輩からこっ酷く説教を食らった後に、吟ネエからの性感帯攻撃によって、身も心もボロボロになった笹原先輩。

自業自得である。

「あははは!吟ちゃんの攻撃は気持ちよかったー!」

この人、懲りてないよね?

百合とか関係なく、面白おかしく生きていければいいのかよ。

「ふー」

「だー!」

笹原先輩が耳元に息を吹きかけてくる。

「あははは!またむっつりー!」

「今日の先輩、おかしいですよ。妙にハイテンションというか」

いつもの先輩も十分おかしいのだが、今日はレベルが5万アップしている。

「そうかなあ?それよりさ」

「何ですか?」

自分の話題の場合、すぐにかわそうとする。

深く追求する気もないので、先輩の話に耳を傾けることにした。

笹原先輩がトーンを落として話しかけてくる。

「丞君、愛されてるね」

「笹原先輩にですか?」

「あはははは!ピンポーン!」

「はあ」

「冗談はさておき、君の先輩方にだよ」

「まさか」

そろそろ、カラオケBOX『フィンランド』に着きそうだ。

早めにこの話を終わらせておきたい。

「龍先輩は友達だって言ってましたし、吟ネエに至っては眼中にもないと思いますよ」

龍先輩からは放課後に言われたんだ。

吟ネエからは言われたわけじゃないが、他の男と同じ扱いの時点でそうなる。

俺からアプローチをかけるしかない状態なんだよな。

「さっきの見てなかったのー?」

さっきのといえば、笹原先輩が俺をからかったことにより強襲を受けた件の事か?