学園(序)

高井教師だった。

しかし、今日は一人ではなく、隣にボブカットの小さい女の子を連れて歩いている。

「お子さんですか?」

「ば、馬鹿!」

高井教師が異様な焦りを見せているが、何か悪い事を言ったのだろうか?

「誰がお子さんやねん!」

小さい女子の会心の一撃、1590のダメージを頬に受けた。

何という一日だ。

俺に生死を彷徨えと言うのか?

「お前な、雪那(せつな)は確かに幼女だけど、幼児扱いすると殴られるんだぞ。しっかり、覚えとけよ」

「誰が幼女じゃ、ボケ!」

「ロレックス!」

暴れ馬のごとく、ボディーブローを高井教師に決めていた。

「久々にいいの貰ったぜ」

「死ぬっす」

男子二人とも、グロッキー状態であった。

「ロリを武器にしないなんて馬鹿アル」

吟ネエが敵視の眼差しを雪那に当てていた。

「あ?」

「吟ネエ、やられるぞ!」

今にも襲い掛かりそうな小さい野獣。

しかし、気にせず吟ネエは続けた。

「ロリだけで全世界の半数の男子を征服できるアル!」

この人が一番馬鹿でした。

「もしかして、あんたが学校で有名になってる葉桜吟っていう子やね」

「ワタシ、渡来人アル、そんなグラマーな奴、知らないアル」

片言交じりなのだが、グラマーと言っている時点でアウトじゃないですか。

「この方は先生の何でございますのじゃ?」

落ち着いた龍先輩がグロッキー状態の高井教師に一番気になる質問を投げかけた。