「栞!
待てってば!」


「あぁーもう!
毎朝毎朝…栞、栞、栞って!
少しは黙ってよ!」


「まぁそう言うなって!
幼なじみだろ?」


「…もぅ勝手にして…」


私の幼なじみ。

風桐 和也

は毎朝、毎朝家まで押し掛けてくる迷惑な奴。


「なぁ栞。」


「……何?」


「数学の宿題見せて!」


「……はぁ?
あんたまたして来なかったの?」


私の冷たい態度に少ししょげた和也。


「…うん」


私は呆れながら、
スクールバックの中から数学のノートを出して和也に差し出した。


「はぁ…
ほら、2時間目までに返してよね…」


「ありがとう!」


現金な奴…


でも、和也の笑顔を見るとすごく安心するんだ。


私は喜んで数学のノートを見ている和也の顔を見ていた。