聖職者


移動術を抜けたら、そこは本部長室だった。

本部長の李楼はもちろん、各班の班長まで集まっていた。

「おかえりなさい、ルイ元帥」

李楼が声をかける。

「ただいま」

マーキスも淡々と答えた。

そして、背負っている3人をそれぞれソファの上に降ろした。

血の気のない慎と京介の顔を見て、通信班長が声にならない悲鳴をあげた。

「医療班長、凛をよろしく。この子は気を失ってるだけだから」

マーキスがそう言うと、医療班長は凛をそっと抱え医務室へと運んでいった。

「さて・・・」

本部、医療班長を除く各班長、元帥1人の会議が始まる。

「彼らの記憶を読み取ります。ルイ元帥、お願いできますか?」

李楼が言った。

「まけせて。それが仕事よ」

マーキスは力なく笑った。

李楼はそれを聞くと軽く礼を言い、デスクの真上の天井に掛かっているスクリーンを降ろした。