マーキスの悲しい読みは当たっていた。

だが、凛にはそれが分からない。

否、分かりたくないと拒絶しているのかもしれない。

凛は二人の遺体に辿り着くと、力なく膝をついた。

そっと、京介の頬に手を添える。

しかし、期待とは裏腹に京介の頬は冷たかった。

今度は慎の額に手を添える。

だが、温かいわけがない。

変わりに凛の手の平には、慎の額についていたまだ固まりきれていない血がベットリとついた。

それを見て触感を感じた時に、凛は身体中の血が凍り付いた心地がした。

・・・どうして?

いったい何があったの?

そんな疑問が凛の頭を駆け巡る。

自分の手にべっとりとこびりついた慎の血を見た凛は、意識をそこで手放した。