「何見てんだよ」

「は?」

「俺が好きだからって、そんなに見つめないでよ。てれるじゃん」

「は!?」

そこで凛は自分がこの軽い男を凝視していたことに気が付いた。

「だれがあんたみたいな男、願い下げよ」

凛は憎まれ口を思いっきり叩いた。

そのつもりだった。

「凛ってほんとからかいがいがあるよな。おもしれぇ〜!」

そういって慎はニヤニヤ笑いながら凛を見る。

「・・・」

なんでこの男は…

これで人気があるから不思議だ。

慎は顔がいいせいか、女性から人気があった。

歳は17だが、服装によってはまるでホストのようにも見える。

任務以外で慎を見かけるときは、そのたびに違う女性といた。

女性の前ではいい男を演じているかもしれない。

でなければ人気なんか、あるはずがない。

「はぁ・・・」

凛はため息をついた。

せめて喋らなきゃいいのに・・・。