聖職者


一向に輝きを戻さない凛の力を見て、マーキスはため息を吐いた。

凛の力は異色であり、強大だった。

未だかつて、銀色の力をもった聖職者はいなかった。

この世界で銀色は最も高貴であり、畏怖される色だった。

その傾向は、特に騎士団内で強かった。

数年に一度この世界に降りてくる万能の神が、銀色の力を持っているためだ。

そう、神も力を使う。

使い方も聖職者とさほど変わりはない。

ただ、その強大さが違った。

なぜ、ごく一部の人間が力を使えるようになったのか。

その謎は日夜科学班が追い続けている。

力を使える一部の人間は、今は聖職者と呼ばれる。