聖職者



「マーキス、どうすればいいの?」

凛が無邪気に問い掛けてくる。

「修業だ、教えて」

凛はそう言って笑顔を見せた。

マーキスはその笑顔に心を奪われる。

「そうね、まずは集中して力を出して」

「うん」

凛はそっと目を閉じた。

両手を胸の前で合わせる。

すると、凛の身体全体が凛の力の色である銀色に輝きだす。

「そう。そしたらその力を合わせた手にためるように意識して」

マーキスが次の指示をだす。

凛はそれに従った。

凛の合わさった手に銀色の光が集まり、より強く輝きだした。

「いいわ、上手よ。次に探したい人を強く思い浮べて」

凛は慎と京介を思い浮べた。

最後に会ったとき、そこは食堂だった。

京さんから食事に誘ってくれて、なぜか慎も一緒になったっけ。

あの時の京さんの笑顔、素敵だった。