聖職者


マーキスは呆然とした。

よくこの子は今まで生きていたな。

力の使い方がわかっていない。

力を使わなければ、聖職者は人間と変わらないのだ。

こんな少女に力の使い方も教えずに、騎士団は任務をさせていたのか。

マーキスの表情は険しくなる一方だった。

これは、あとで李楼にキツい御灸を据えてやらなきゃね。

慎と京にも、生きていたあかつきにはそれなりの説教が必要のようね。

いや、本部に所属している聖職者全員に必要だわ。

マーキスの凛を愛する心は、刻々と大きくなって行くのであった。