公園の隅へと辿り着いた凛は、術の一歩手前で立ち止まる。
マーキスは凛の後ろをついてきた。
歩きながらゴーレムを使い、李楼と通信をしていたらしい。
ゴーレムから李楼の声がした。
「ルイ元帥、術をかけたのが敵だとしたら、相手はかなり手強いです。Bランク以上でなければ術は使えません」
「この術は慎や京のものじゃない、そんなこと位わかってるわ」
「だったら尚更です。僕は貴方方が術の中に入ることを止めます」
「なぜ?」
「敵はBランク以上なら、あの二人が生きている確立はより低くなる。その上、これ以上聖職者を失ったら騎士団は壊滅的な状態になります」
「そうね。でも、はたして凛にそれが通じるかしら?貴方は凛を説得できなかったじゃない」
「ですが・・・」
いつもはよく通る声も、今日は不安の色一色だった。

