聖職者


公園までは本当にすぐだった。

大通りに面しており、仕事の昼休みに集まっている人がちらほらいた。

マーキス達は公園に入った。

そして、少し探索した。

さほど問題はない現場だったが、凛は一ヶ所異変に気付き、マーキスに声をかけた。

「マーキス、なんか変じゃない?」

「あぁ、凛も気付いたんだね」

そう言うマーキスの顔は険しい。

視線は公園の隅、木々の影になった所に向けられていた。

「凛も感じるわよね、この公園、術がかけられてる」

「うん」

凛は力強く頷く。

凛の視線も、マーキスと同じ所に向けられていた。

「あの隅の所、不自然に人が寄り付かない。たぶん人払い系の術がかけられてる」

凛はそう呟き、連絡のとれない仲間を思うためか、なかば荒い足取りで視線の先へと歩きだした。