聖職者


マーキスは凛を連れて歩きだした。

自分達がいる裏路地を東に抜け、大通りに面した所で南に歩く。

すぐに現場の公園が見えてきた。

真昼のパリの大通り、人は多い。

マーキスと凛はモノトーンの独特な団服を着ていたため、かなり目立った。

おまけに不思議な空飛ぶ黒い機械まで連れている。

二人が人々の視線の的となるのに、そう時間はかからなかった。

このままでは人型の魔獣にも見つかってしまうかもしれない。

そう思ったマーキスは凛の同意もとった上で自分達に幻視術を施した。

これは、一時的に回りの者の視界から指定したものを消す術である。

要するに目隠しだ。

Cランク以下の魔獣にも分からないようになっている。