聖職者


「凛だけでは危ないんだろう?」

マーキスは満足気に李楼を見た。

李楼は意表を衝かれたような顔をしている。

「ええ。もちろん問題はありませんが・・・」

いいのだろうか?

今、元帥は4人しかいない。

ここでマーキスが元帥の仕事を抜けたら、他の元帥たちは世界中を飛び回ったあげく、過労死しないだろうか?

「いいの?マーキス」

凛は驚いて尋ねる。

「大丈夫!元帥の仕事なら他の奴らがやってくれるさ!」

マーキスの笑顔は輝いている。

「いいだろう?李楼」

「わかりました。すぐに準備をします」

李楼はふう、と息をつき、そう言った。

そして、すぐに通信班へと内線電話をかけた。

ちらりと凛をみると笑顔で喜んでいる。

先程の涙はどこへいったのだろう?

凛はもう一度マーキスに抱きつき、本部長室から走って出ていった。

任務の支度をするのだろう。

ルルル、とコールが数回鳴り、「はい」と通信班長が電話にでた。