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そこまで話して、李楼はチラリと凛を見た。
凛に変わった様子はなく、先程と同じ状態だった。
ただ、慎と京介の名前が出てきたときはピクッと反応はした。
それを見て「聞いていることは聞いているんだな」と思った。
そして、話を続ける。
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彼は道を教えている探索班員を一度見て、再び調査に戻った。
だが、いきなり隣から耳をつんざくような悲鳴が聞こえた。
彼は驚いて隣を見た。
そこにはつい先程まで道を教えていた探索班員が、肩から腰にかけて切られて死んでいた。
すぐ傍にはCランクの魔獣がいた。
魔獣は彼に目を付け、襲ってきたという。
彼はすかさず攻撃を避けた。
だが、急所は外れたものの肩に深い傷を負った。
同時に避けて手を着いたときに、腕を折ったようだった。
慎は悲鳴を聞いて、すぐに駆け付けてくれたという。

