本部長室に戻ってきた李楼は、まずはソファに凛を座らせた。
凛の涙は止まることを知らない。
目は虚ろだ。
まるで心が死に、別人のようだ。
生気がない。
「はい」
李楼は入れたての温かいミルクティーを凛に差し出した。
凛は一応手で受け取るが、それを見つめたまま飲もうとはしない。
彼女の気持ちもわからなくはないが、と李楼は思った。
彼女にとって、自分の命よりも大切な仲間を失った。
その中には、なんだかんだ言っていつも一緒にいた慎と、憧れてやまなかった京介もいる。
李楼は凛と反対側のソファに座り、ミルクティーを一口飲んだ。
「さて、話をしようか」
李楼が言う。
「さっき、彼は私にこういってくれた」
そう言って、李楼は話だした。

