聖職者


エレベーターの扉が開く。

凛たちは急いでエレベーターから飛び出た。

目の前に人だかりが見える。

「あそこです!」

団員がその人だかりを指差して叫んだ。

その声に気付いた人だかりが、李楼たちに気付きぱっと開けた。

凛は開けて、まるで道のようになったそこを走り抜けた。

李楼たちがそれを追う。

人だかりの真ん中には血塗れになって倒れた男と、それを取り囲む数人の医療班員がいた。

凛は血塗れになっている男を見て、一瞬怯んだ。

凛の走っていた足が止まる。

後ろの各班の班長達も同じように止まった。

ただ、医療班の班長と李楼、団員が凛の横を擦り抜けて血塗れの男に駆け寄った。

「急いで治療室へ言って、オペの準備をして!それから、担架!」

医療班長が近くにいた医療班員に的確な支持を出す。

「はい!」

それを聞き、返事をした班員がエレベーターへと走っていった。