凛の頬を涙が伝う。
各班の班長たちも、辛そうに目を伏せる。
重苦しい沈黙が本部長室を占拠する。
誰も何も発さない。
だが、まさにその時だった。
一人の団員が本部長室に駆け込んできた。
「本部長!!昨夜の探索班員が帰ってきました!!」
彼はそう叫んだ。
「えっ?!」
凛は驚いて裏返った声をあげる。
団員は泣いている凛を見て驚いたようだ。
「その探索班員はどこに?」
李楼が冷静に聞く。
だが、その顔には喜びと焦りが交じっていた。
「1階です!」
それを聞いた瞬間、凛はエレベーターに向かって全力で走りだした。
李楼、各班の班長、団員がその後を追う。
全員エレベーターに乗り込み、1階を目指した。

