聖職者


「私をその場所へ行かせてくれ!」

凛は請うように李楼に言った。

「だめだ」

李楼は速答する。

「なぜだ?!」

「君が出ていってかなうような相手かい?もしあの4人がすでに殺られていたなら、食べられ、魔獣もいないだろう」

「だが、まだ戦っているかもしれない!」

凛は必死だった。

李楼はふぅ、と息をついて言う。

「その可能性は低い。昨晩から戦い続けていたら、彼らの体力がもたないだろう」

凛はぐっと押し黙る。

目頭が熱くなる。

悔しい・・・。

自分が弱いばかりに、誰も助けられない。

彼らが必死に戦っている間に、自分は何も知らずに寝ていたのだ。

かけがえのない仲間・・・。

自分にはそれしかないというのに。

自分の腑甲斐なさ、情けなさに腹がたってくる。