少女と狼は互いに刀と牙を走りながら向け合った。

そして同時に切り掛かる。
少女は無駄の無い動きでそれをかわした。


狼もかわし、空を切った狼は着地と同時に向きを変え、少女を睨み付ける。


「睨んでないで元の姿に戻ったらどうなの?」

少女が問う。

すると狼は二足歩行になり、だんだんと男の姿に代わる。


「ほう、よくわかったな。」

男が不適に笑う。


「あのね、私をバカにしてるでしょ。これでも聖職者の端くれよ、なめたこと言わないで」

あからさまに不機嫌な顔をして少女が言った。


「ふん」

男は鼻で笑う。

「聖職者だか何だか知らんが、えらく大口を叩くもんだ」

男は少女を挑発する。


「だから、なめたこと言わないでよっ!!」

少女はキレた口調で刀を男に向け、突っ込んでいく。