食堂で任務にむかう二人を見送った凛は、自分の食器をさげ、自室へとむかった。
本部に所属する聖職者は5人いる。
今、慎と京介、その外の二人も任務に赴いている。
二人一組で任務に着くようにと指示が出た今、一人余った自分に任務はない。
食堂を出てすぐあるエレベーターにのり、自室のある8階へ進む。
凛は息をついた。
ここ数日間、任務ばかりでまともに休めていない。
凛は自室のドアを開けた。
6畳ほどの部屋にはベッド、その上に置かれたわずかな服、ベッドの横にある小さなテーブルとその上にある置物しかなかった。
そして、大きな窓がある。
窓から見える景色は黒一色だった。
夜の嵐は一向に止む気配がしない。
凛は自室の明かりをつける。
その明かりに反射して、小さな置物がきらりと輝いた。