「あのっ!京さん!任務気を付けてください」

凛が赤面しながら言う。

「ありがとうございます、凛さん。僕から食事を誘っておきながら、途中でこんなことになってすみません」

京介がぺこりと頭をさげる。

「いいえ、気にしないでください。それより、無事に帰ってきてください」

凛は心からそう願った。

そして、まじまじと京介の顔を見つめた。

正体不明の敵が出現した今、本当にいつ死んでもおかしくないのだ。

凛の顔は曇る。

「んでさ、凛。俺には?」

不意に横から入ってきた声に、凛は顔をあげる。

そこには、「俺には何か行ってくれないの?」という顔をした慎がいた。

「慎は・・・、もし京さんが危なくなったらちゃんと助けてね!京さんは慎より強いけど」

「素直にがんばってとか言えんのか」

「・・・がんばって」

凛は小さな声でぼそっと言った。

慎も「だいぶ小さな声だな。まぁいいか」とつぶやいてから「おう!」と言った。

そんな二人のやりとりを見て、京介は微笑んだ。