「つまり、耳を通じて攻撃を受けたのです。耳は外部から脳に、一番通じやすい器官ですからね。音波の攻撃を受けたのかもしれません」
「超音波とか?」
凛がつぶやく。
「まさかぁ!超音波って、こうもりとかが出すやつだろ?」
慎が笑いながら否定する。
「そんなに笑わなくたっていいでしょ!」
凛の顔が赤くなった。
そこに、京介が凛の意見を肯定した。
「可能性は高いと思われます。というより、それぐらいしか思いつきません」
「マジ?」
慎は真面目な顔つきになる。
「超音波だったら、俺ら聞こえないじゃん。どうやっての防ぐのさ?」
「わかりません。元帥ができなかったんです、僕達一介の聖職者にそう簡単にできるわけありません」
京介がため息を吐いた。
その時だった。
「お〜い、京さん!慎!食事が終わったら任務だ!本部長室にきてくれ!」
京介と慎は食堂の入り口付近にいる科学班員に呼び掛けられた。
「うえぇ〜、さっそくだよ」
「しかたありませんね、行きましょう、慎」
京介と慎が立ち上がり、食器を下げようとする。

