「おや、凛の意識が戻ったか」
リョウは意外な顔をした。
「…これは?」
凛は知らない男に押されているマーキスと傍らで煙を上げて伏すヴォルドール、ついで遠くで動かないラスフォードと心配そうに付き添う李楼を見た。
「ふぅ」
リョウはまるで面倒臭いとでも言うように息を吐いた。
「ヒロ」
リョウがヒロの名を呼ぶと、ヒロは瞬時にマーキスから引き、元の並んでいた立ち位置に戻った。
「ルイ元帥、今日は下がらせてもらいます。凛の意識のまま連れて帰ると抵抗されることが目に見えてるんでね」
リョウはそう言うと、レイ、と名前を呼んだ。
名前を呼ばれた可愛らしい少年は素直に返事をして、手を胸の前で組み、とても小さな声で何かを唱えはじめた。

