聖職者


「凛!!」

マーキスは一生懸命叫んだ。

ありえないかもしれないが、香奈の意識の中から凛が目覚めることを願って。

ヒロが押してくる力に耐えられず、もう限界である。

「無駄だって言ったでしょう」

リョウは半ば呆れたように言った。

だが、マーキスの本当の狙いは違った。

ほんの一瞬、体中の全神経をヒロに向けた。

わずかだが、ヒロを押し返したことにより余裕ができる。

その瞬間、マーキスは拳大の大きさの力の球を作り凛に向かって投げた。

この行動は、さすがのリョウも予測不可能だったようだ。

淡く輝く光の球は物凄い速さで進み、凛の顔面の寸前で破裂した。