まだ焼かれていない草木に向かって、横凪ぎに手を振る。
するとごおっと音を立てて勢い良く火柱が上がるのだ。
こんな高度な術など教えてはいないし、威力も半端ではない。
マーキスは力付くで止めにかかった。
だが、凛はマーキスにも炎を降らせた。
仕方なくなったマーキスは凛の隙を付き、瞬速で凛のみぞおちに手刀を入れた。
おかげで背中に一ヵ月の火傷を負った。
マーキスの力の大半を注ぎ、山火事もぎりぎりのところで食い止めた。
騎士団に連れ帰り、このことを知らせたのは李楼だけである。
数日後、目を覚ました凛は自分がしでかした事を何一つ覚えていなかった。
李楼の見解では、崖から落ちたことにより空中で意識を失い、それにより暴走したのではないか、と言うことだった。

