聖職者


さらりといい除けるリョウに、ヴォルドールは目を見開いた。

自分が何十年と人生を費やして調べていたことの更に上を、この青年はしていた。

「やはりお前も銀の力を持つんだな」

マーキスはリョウに問う。

特別な魔獣の存在、

凛とリョウが持つ神の力、

これまでに起こった不可思議なことを全て繋げると、一筋の予想が見えてくる。

マーキスの脳裏に見え隠れするのは、ある一つの事件。

それは、凛が受けた悲惨な扱いよりもさらに前の出来事。

マーキスはちらりとヴォルドールを見た。

ヴォルドールはこれ以上無いほどに青ざめ、震えていた。

そんなヴォルドールの様子をみて、マーキスの予想は確信に変わる。

「…お前、もしかして…」