聖職者


「凛!早く…」

「嫌」

凛はマーキスが言い終わる前に答えを返した。

マーキスはその答えを聞き、耳を疑った。

嫌だって?

何を言ってるの?

驚きのあまり目を見開く。

それは、李楼、ラスフォード、ヴォルドールも同じだったようだ。

「凛さん?!何を言ってるのですか!」

ラスフォードが叫ぶ。

だが、やはり凛は動かなかった。

その様子にリョウは気をよくしたのか、高らかに笑いだした。

「ふははっ!!これではっきりした!凛は今日から僕達の仲間だよ!」

「そんなことさせない!」

マーキスはそう叫ぶと、腰を低く落とし、いつでも飛び出せる体勢に移る。

「何を言ってるのですか、ルイ元帥。凛はそちらに行くのを拒んだんだから、僕達の仲間でしょ?」