聖職者


「これはこれは、ルイ元帥」

リョウは優雅にお辞儀した。

「マーキス!何でここに?!」

「あとで話すわ!凛は無事?!」

凛は無言で頷く。

その時、再び茂みが揺れ、李楼、ラスフォード、ヴォルドールが飛び出した。

彼らはリョウ達を見てかなり驚いた表情を見せ、急いでマーキスと凛の元に駆け寄った。

凛は体が硬直した。

なぜなら、ヴォルドールが自分の元に駆けてくるのだ。

恐怖、の二文字が凛を支配する。

嫌でも思い出される過去。

体は癒えても心は癒えていない。

凛は震えのあまり立っていられず、その場にしゃがみこんだ。

頭が割れるように痛い。

無意識のうちに涙が落ちてくる。

「……っ……ぁぁあああ!!」