リョウは至極当然に言った。
だが、凛は驚いて目を見開き、一歩後退る。
「(こいつ!なんで!?)」
「なんで?あぁ、心を読んだこと?」
可笑しい、と思った。
言葉を発していないのに、会話が成り立っている。
「やだなぁ、そんなに見つめないでよ。僕は心が読めるんだ」
「…なら、お前は魔獣か?」
強大すぎる力を持った魔獣は、気配を消し、特殊能力を持つと言う。
リョウがまさにそれであった。
一方のリョウは凛の答えに一瞬ぽかんとした顔を見せ、盛大に笑った。
「なっ、何が可笑しい!!」
「僕は人間だよ!君と同じだ!」
「そんな訳が…」
「そんな訳がない?魔獣でなければ特殊能力はないって?」

