ここまで案内してきた狼達が凛のそばを離れた。
そして、そのまま広場らしきこの場所の中央に向かう。
彼らはまるで何かを囲むように丸くなり、天に向かって一斉に遠吠えをはじめた。
すると、突如狼達の輪の中心に渦巻いた風か起きる。
風は中心だけでは納まらず、荒れたそれが辺りに散らばる。
その中心の風に、一瞬、銀の光が強くほとばしった。
あまりの輝きと色にに、凛は驚きつつも目をぎゅっと瞑る。
とたんに、ふっと風が止む。
凛はそっと目を開いた。
すると、そこには九人の人がいた。
一人だけ、青年が前にいて、その後ろに八人が並んでいる。
一人、前に出ている青年はまだ若く見えた。20歳前後だろうか。
その後ろの八人はきちんと整列しているが、年は10歳前後の男の子から30歳程の男、女性も数人いた。

