聖職者


その頃、マーキス達は西欧研に到着した。

三階建てのコンクリート造りの建物の屋上に、マーキス達を乗せたヘリがとまる。

ヘリが止まるかそうでないかの瞬間、マーキスはドアを思い切り開け放ち飛び降りる。

「うわぁっ!!」

機内にものすごい風が吹き、ラスフォードが声を上げた。

「ルイ元帥!!」

西欧研の屋上を走り去るマーキスに、李楼が後ろから声をかけた。

だが、当然ながらマーキスが止まる訳がない。

李楼は急いでマーキスを追い掛ける。

ラスフォード、ヴォルドールもその後に続いた。

「………」

あまりの急展開についていけなかった操縦士は、開け放たれたままのドアを眺め、ぽつんとしていた。