「じゃあどうして呪いなんて言うんですか?」
凛は半分投げ出したように尋ねた。
「この前、森に入った男が森の主を狼と間違えて射ぬいちまったのさ。森の主は怪我をなされ森の奥深くに消えてしまった。それから狼達がまた暴れだしたんだよ。その数が多くてね。みんな、森の主がお怒りになってると考えてる。まったく、馬鹿な男だよ」
「どうして射ぬいた人物が森の主だって分かったんです?」
「奴が言うには森の主は変な力を使ってたんだと。良くは見えなかったらしいけど、主の手から銀の光が出ていたらしいのさ。手から光が出るなんて、人間じゃないだろう?」
「っ!!」
それを聞いた凛は、目が飛び出そうなほど驚いた。
「(銀の光だって?!!)」
銀の光、それは聖職者の中でも凛しか使う者がいない力だったのだ。

