「君たちをここで待たせてしまった理由は、元帥の死因を調べていたんだ」

またも凛は納得した。

李楼は科学班の出身なのだ。

科学班の中で天才と呼ばれ、班長になるまで2年足らずだった。

若干29歳という若さで本部長になったのは、史上最年少だと言われた。

「死因は何だったんだ?目立った外傷は無かったんだろう?」

凛が聞く。

「うん、そのことなんだが・・・」

またも言いにくそう。

「何かあったの?」

今度は慎が聞く。

「・・・脳が壊されていたんだ。いや、正確にはぐちゃぐちゃに潰されていた」

「「・・・」」

慎も凛も黙り込む。

「人間は、聖職者もだが、脳を壊されたらかならず死ぬ」

李楼が静かに言う。

「人間も聖職者も、身体の作りは大して変わらないからね」