聖職者


まだそんなことを、とマーキスは思う。

「凛の任務に関わるなら、今の凛の安全にも関わる。端的に話して」

マーキスの注文に、ヴォルドールは渋々頷く。

「では結論から言おう。リョウはあの森にいる」

「何ですって?!」

いきなりの発言にマーキスだけでなく、李楼もラスホォードも目を見開く。

「リョウはあの森にいると言った」

「それは本当ですか?!」

ラスホォードが身を乗り出して尋ねた。

それに対し、ヴォルドールは力強く頷く。

「あの森はリョウの拠点となっている」

「証拠はあるの?!」

「私が開発した特殊装置で、力の波動を感知したんだ。間違いはない。リョウはあの森にいる」

ヴォルドールのその言葉に、マーキスの顔はさぁっと青ざめて行く。