それが通信不能になったのだ。
かつて、無線ゴーレムをどんなに強い聖職者と同行させてもこのような自体は起きなかった。
「私も信じられなかったよ。だが、確かに通信不能となっていたのだ。そこで、あることが頭をよぎった」
「…リョウ」
マーキスがぼそっと呟く。
「そうだ。騎士団が誇る無線ゴーレムの周波数を狂わせることが出来るのは奴しかいない」
「リョウって!そんな悠長に言ってられるんですか?!」
ラスホォードが叫んだ。
若干興奮気味だが、確かにそうである。
あの、銀の力を持ったリョウ・ラルトマスだ。
騎士団に宣戦布告した彼を、騎士団は全力で追わなければならなかった。
「もちろん、我々は即座に逆探知しリョウを探した」
ヴォルドールが付け加える。

