聖職者


「それで、凛は今日はどこに?」

さらに尋ねるヴォルドールは、睨み付けるマーキスの視線をものともしない。

「ドイツです。郊外の森林に最近怪しい人影が出るそうで。同時にかなりの数の大型狼らしきものも住み着いたようなんです。その情報収集と魔獣かどうかの調査に…」

李楼はそこで言葉を切った。

意図ではない。

思わず切った。

なぜなら、李楼の話を聞くヴォルドールの顔がどんどん青ざめていったからだ。

ヴォルドールがここまで青ざめるのを、李楼は見たことがなかった。

それはマーキスもラスホォードも同じらしい。

二人とも驚いている。

「ヴォルドールさん、どうされました?ご気分が優れないのですか?」

ラスホォードが尋ねた。

「…あぁ、いや」

ヴォルドールは曖昧に答える。