「僕は聖職者ではない。だけど、力はある。神の力だ。僕が最も嫌いなもの、聖職者と人間を消すために使うんだ。僕を殺さないと君達が死んじゃうよ?」
そう言ってリョウは笑った。
そして、続けた。
「今日は見逃してあげる。君達は伝言係だからね」
そして、風になびくように消えたという。
最後にある言葉を残して。
ヴォルドールはそこまで語ると再びミルクティーを口にした。
「それで、リョウは最後に何ていったんです?」
李楼が切り出す。
「開幕のベル、始まりの鐘は聞き逃すな、だそうだ」
「…そうですか」
開幕のベル、始まりの鐘か…
中々素敵な響きじゃない。
マーキスは口の端で笑うと、足を組みなおした。

