聖職者


ヴォルドールがリョウ・ラルトマスの存在を知ったのは、凛がマーキスに連れてこられてから二年がたった頃だった。

ある二人の聖職者がヴォルドールに報告をした。

それは、銀の力を使う人間を見た、と言うものだった。

それを聞いたヴォルドールは耳を疑った。

だが、二人の聖職者は見間違いではない、と言って引かなかった。

当時、銀の力が神の力だと言うことはふざけた噂でしかなかった。

ヴォルドールの前任の本部長は痴呆症で退いている。

そのため、彼の証言を信じる者は誰一人としていなかったのだ。

ただ一人、ヴォルドールを除いて。

ヴォルドールは小さい頃から彼の傍で過ごしてきた。

彼が例の証言を初めて語ったのは、まだ彼が痴呆症になる前だったのだ。