聖職者


「ヴォルドール、あなた、リョウ・ラルトマスって知ってるわよね?」

「………」

「知らないはずが無い。あなたの名前で探索チームを組んでるんだから」

マーキスは次々と言葉を揃えていく。

だが、ヴォルドールは中々話そうとはしない。

「私達が何も知らないでここに来たと思ってるの?!」

中々話さないヴォルドールに痺れを切らしたのか、ついにマーキスが叫んだ。

その叫び声にヴォルドールではなくラスホォードがびくり、と反応する。

それを見たヴォルドールはくくくっと笑った。

「…何がおかしい」

マーキスが凄味を聞かせる。

その目付きが尋常ではなかった。

これはキテるな、と李楼は内心思う。

ヴォルドールは笑いを押さえると、余裕を見せた表情でマーキスを見、口を開いた。