「さて、話とは何だろうか」
ヴォルドールが切り出した。
だが、マーキスは口を開こうとせず外方を向いている。
足と腕を組み、目は鋭く宙を睨んでいた。
仕方なく、李楼が説明を始める。
「ヴォルドールさんは任期中に銀の力について研究なされていましたよね?」
「いかにも」
「何故、銀の力の研究を始めたのですか?」
「何故って、興味があったからだよ」
ヴォルドールは淡々と答える。
「何故興味を持ったのです?」
「あの力は神の力だ。これは周知の事実だしな。神は絶対的な力を持つ。それなのに凛は弱い。不思議に思わんか?」
「僕達が不思議に思ったのはそこでは無いのです。何故、銀の力は神の力だと言い切れるのですか?」

