ヴォルドールが使用している来賓用の部屋はとても豪華な作りだった。
華やかな細工が施された家具。
細やかな織り目の絨毯。
カーテンには朱金の糸が用いられ、陽の光を最大限に部屋に反射させていた。
ヴォルドールが使うことを予め知っていたならもっと質素にするべきだった、とマーキスは内心思う。
「李楼君、君は確か紅茶を入れるのが上手だったね。すまんが入れてくれないかな?」
「わかりました」
「つっ立ってないでソファに座ったらどうです?ルイ元帥と、君は…」
「現医療班長を務めております、ラスホォードと申します」
「そうか。ラスホォード君、よろしく」
その後、マーキスとラスホォードはソファに座った。
すぐに李楼が人数分のミルクティーを持って現れた。

