「おや、ルイ元帥ではありませんか」
ヴォルドールはさほど驚かずに出迎えた。
その様子はまるで三人が尋ねてくることを知っていたかのようだった。
「こんにちは、ヴォルドールさん」
ヴォルドールを半ば睨む様にして口をきかないマーキスの変わりに李楼がこたえる。
「みなさんお揃いでどうされました?まさか、遊びにきたわけではないですよね?」
「もちろん。あなたに話があってきたの」
半分喧嘩腰でマーキスがとっかかる。
一方のヴォルドールは終始落ち着いた様子だった。
「ほう、おもしろい話だといいんですがね」
「あなたは十分興味があるんじゃないかしら?」
「なるほど。まあ、立ち話も何ですから、中へどうぞ」
ヴォルドールは扉を押さえ、三人を部屋へ招き入れた。

