聖職者


「…それもそうね」

マーキスは考え込む。

ここ数百年は騎士団に登録しない聖職者はいなかった。

ただ一人、リョウ・カルトマスを除いて。

だが、マーキスにはそれがなぜたが分からない。

聖職者は騎士団以外に住むところがないのが、この世界の現実だった。

「…ヴォルドールなら何か知ってるかもな」

「会いに行きますか?」

マーキスの呟きに李楼が尋ねる。

「うん、会いに行く」

それから、マーキスはヴォルドールに会いに行く準備も兼ねて、自分が見つけた資料を李楼とラスホォードに見せた。

二人とも異様に驚いた。

「銀の力って知られていないだけで、歴代の本部長は詳しく知られていたのかもしれませんね」

李楼は苦笑した。