聖職者


「なっ?!いくらヴォルドールさんでも、そんな重要なことを騎士団に黙ってるなんて!」

ラスホォードが驚いた声をあげる。

マーキスは頷いた。

「でも、今となってはヴォルドールを処罰できないわ。ヴォルドールは追放と言う形で騎士団から離れたから」

ラスホォードはぐっと押し黙る。

「…そうですね。しかし、僕達が参考として話を聞く位は許されますよね?」

「そうね。今、ヴォルドールは本部にいるの?」

マーキスは李楼に尋ねる。

「ええ。来賓用の部屋に滞在しています。あと数日はいますよ」

李楼の言葉にマーキスは表情を曇らせる。

追放されても来賓のご身分か、と。