「ラスホォードの資料を深夜に見たので、それから今まで調べていました」
李楼はそう言って手元にあった「異端者リスト」と書かれたファイルをマーキスに手渡した。
表紙には赤い文字で「本部長以外閲覧禁止」と書かれている。
自分は本部長ではないのに、見てもいいのだろうか。
すると、李楼はマーキスの気持ちを察したかのように言った。
「ルイ元帥に見て頂いてもかまいません。ばれなきゃいいんですから」
そう言う表情は、どこか黒いものを感じる、しかし爽やかな笑顔だった。
「今から10年前に騎士団は彼の存在に気付いたようです。当時の本部長命令で極秘に探索命令がでています」
「当時の本部長って…、ヴォルドールか…」

