聖職者


「これは本当なの!?」

マーキスは落ち着きなく尋ねた。

その姿は、いつも冷静に仕事をこなしていくマーキスからは想像ができなかった。

たった数枚のプリントを手にして、驚愕に震えているのだ。

だが、マーキスが驚くのも無理はなかった。

なぜなら、そこには今までの騎士団の見解を越えることが書かれていたのだ。

「凛以外に銀の力を持った人物がいたってこと?!」

マーキスが声を上げる。

「そう言うことになります」

李楼がミルクティーをマーキスに渡し、ソファに座った。

「リョウ・カルトマス、当時17歳。彼は銀の力を持っていましたが、聖職者ではなかった。というより、規約に違反して騎士団に登録していなかっただけで、聖職者としての力は十分にありました」

李楼が説明を加える。

「その情報はどこから?」

マーキスが尋ねる。